ラム酒とは、サトウキビから造られるALC度約40〜50度の蒸留酒で16世紀ごろにヨーロッパ人が植民地カリブ諸島で製造したのが始まりといわれています。

①  原材料形態 ②製法 ③傾向により色々なタイプがあります。

①原材料形態

トラディショナル法

 (TRD

砂糖精製のうち結晶化しない糖蜜(結晶化は砂糖)に加水し発酵、蒸留。糖蜜は冷蔵保存できるため

年間製造可能。ラムの90%はこのタイプ。

アグリコール法

 (AGC

果汁をそのまま発酵蒸留。19世紀フランス植民地で確立した製法(本国から糖蜜に高関税がかけられた為)

収穫期、産地しか生産できないがサトウキビの風味がわかる。ラムの3

ハイテストモラセス法

 (HTM

果汁のシロップ(糖蜜に比べ糖度が7080%と高い)を発酵、蒸留。年間製造可能でサトウキビの風味も。

銘柄にはロン・サカバなど


②製法


③傾向

スペインの旧植民地:キューバ、プエルトリコなど

(ライト・ラムが多い)

ラベルにRon/ロン(ラムの意)、Anejo/アネホ(オールドの意)とスペイン語表示

島もの(キューバ、プエルトリコ)軽い

大陸もの(ベネズエラ、グアテマラ)甘重厚

 

フランスの旧植民地:マルティニーク、モーリシャス、ハイチなど

(ミディアム・ラムが多い)

ラベルにRhum/ラム,VSOP,XO表記

アグリコールラムが多く、サトウキビ本来の風味の香り、フルーティーで繊細な味わいが特徴

サトウキビからブランデーを造っている感じ。

 

イギリスの旧植民地:ガイアナ、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ

(ヘビー・ラムが多い)

ラベルに英語Rum/ラム表記

ウイスキーの技術踏襲、比較的重い味わい、風味が豊かで香りが強い。ウイスキー好きには、たまりません!


ラムの兄弟

スパイストラム:フルーツやハーブ、香辛料などをラムに漬込んだり、香り付したもの。

 

カシャーサ  :ブラジルの地酒で、アグリコールラムと同様にサトウキビの搾り汁を原料とする。樽貯蔵も。

ポルトガルとスペインの交易対立がいまだに色濃く残り、カリブのスペイン統治下だった国々のラムとは異なるという見解に立っている。

 

奄美の黒糖焼酎:米麹を使っている以外は、ラムの製法とほぼ同じである。